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『ネクスト・ソサエティ』 P・F・ドラッカー (04)



『ネクスト・ソサエティ』(04)




ドラッカーについては、改めて詳しくご説明する必要
がないくらい有名な人物ですので、概略に止めます。


 
 ビジネス界にもっとも影響力をもつ思想家

 として知られる。

 「分権化」「目標管理」「経営戦略」「顧客第一」

 「知識労働者」「ベンチマーキング」「コア・コン

 ピタンス」などのマネジメント理念を生み出し、

 発展させてきた。

 クレアモント大学院大学教授。

 1909年11月19日生まれ。

 2005年11月11日死没
 

 (「著者紹介」から)








 ネクスト・ソサエティにおけるトップマネジメント

 の最大の仕事が、組織としての個の確立である。

 第二次大戦後の半世紀間、企業はその経済的

 側面、すなわち価値と雇用の創出において大きな

 成功を収めてきた。しかし、ネクスト・ソサエティに

 おける企業とその他の組織の最大の課題は、

 社会的な正統性の確立である。すなわち、価値、

 使命、ビジョンの確立である。ネクスト・ソサエティ

 においては、まさにトップマネジメントが組織その

 ものである。他のものは、すべてアウトソーシング

 の対象となりうる。 
         
                    (P.58)

         (010-1-0-000-436)

 



 


 若年社員が高年社員よりも生産性が高いとは

 かぎらない。しかも今日の人口構造の変化が、

 やがてそのような雇用政策を自壊的かつ高コスト

 なものにしていく。

 ここにおいて第一に行なうべきことは、雇用

 関係の有無にかかわらず、事業のために働く

 者すべてを対象とする人事を確立することで

 ある。つまるところ、彼ら全員の仕事ぶりが重要

 だからである。だが今日のところ、この問題への

 満足すべき答えはない。

 第二に行なうべきことは、定年に達した人たち、

 契約ベースで仕事を行なう人たち、つまり非正社員

 を惹きつけ、留め、活躍してもらうことである。

 経験と能力のある高学歴の高年者を引退させる

 ことなく、内部化したアウトサイダーとして継続した

 関係をもち続けてもらうことである。彼らの能力と

 知識を維持するとともに、彼らに対しては柔軟性と

 自由を提供することである。
 
                    (P.61) 

          (011-1-0-000-437)

 





 変化をマネジメントする最善の方法は、自ら

 変化をつくりだすことである。

 経験の教えるところによれば、既存の組織に

 イノベーションを移植することはできない。

 組織自らが、全体としてチェンジ・エージェント

 へと変身しなければならない。

 そのためには、第一に成功していないものは

 すべて組織的に廃棄しなければならない。

 第二に、あらゆる製品、サービス、プロセスを

 組織的かつ継続的に改善していかなければ
 
 ならない。すなわち日本でいうカイゼンを行な

 わなければならない。第三に、あらゆる成功、

 特に予期せぬ成功、計画外の成功を追求して

 いかなければならない。第四に、体系的にイノ

 ベーションを行なっていかなければならない。

 チェンジ・エージェントたるための要点は、

 組織全体の思考態度を変えることである。

 全員が、変化を脅威でなくチャンスとして捉える

 ようになることである。

                     (P.63)

          (012-1-0-000-438)

 







ドラッカーは、変化についてたびたび言及しています。


チェンジ・エージェントに変身することだ、と。


英語で change (チェンジ)の「g」を「c」に変えると、
chance(チャンス)になると言われることがあります。


チェンジはチャンスだ、と。


変化するとチャンスを生み出す、とも言い換え
られます。


組織は安定を求めるようになると、変化を嫌うように
なります。


組織で働く人たちは、変化を嫌うのです。
今まで通りに行なっていく方が楽だからです。


大企業病と言われるものです。
組織が硬直化し、情報の流れが滞りがちになり、
時には陸の孤島と化します。


血液の流れが悪くなると、深刻な病気を引き起こす
ようには、組織を崩壊させかねません。


あるいは出血しているのに、止血しなければ、
死んでしまいますね。会社なら倒産です。


1年365日、同じことをしているのは、仕事ではなく、
作業です。頭を使って、創意工夫しなければ、つまり、
カイゼンを行なっていかなければ、相対的に後退
しているのです。


現状維持は、文字通りの現状維持ではなく、
後退なのだ、と自覚しなければなりません。


改革や変革は、トップマネジメントしかできません。
カイゼンなら現場の社員でもできます。


野球などでよく使われる言葉に、
「チャンスの後にピンチあり」
があります。


チャンスをしっかりモノにしないと、その後で
ピンチになるという意味です。


これは経験則ですが、確かに納得できること
が多く起こります。


ところで、ファーストリテイリング会長兼社長
の柳井正さんの
『柳井正の希望を持とう』
(柳井正 朝日新聞出版 2011年6月30日
 第1刷発行)
を読み終わりました。


柳井さんは、ユニクロなどの経営母体である
ファーストリテイリングの売り上げを2020年に
5兆円にする、と社内外に宣言しています。


日本で1兆円、米国で1兆円、中国で1兆円、
アジアで1兆円、そして欧州で1兆円で、計
5兆円だそうです。


その本の中で、柳井さんはドラッカーについて
書いています。


 私は前述の『プロフェッショナルマネジャー』

 (ハロルド・ジェニーン 註:藤巻隆)、

 レイ・ロック自伝(『成功はゴミ箱の中に』 

 註:藤巻)に加え、ドラッカーの著作を読み

 直すことが多くなった。

 ちょうど会社をさらに拡大、成長するため

 には何をするべきかを考えていた時期

 だったので、原点に立ち返ってもう一度

 勉強するために手に取ったのだ。以後も、

 ことあるごとに読み返しているのだが、

 そのたびに目からうろこが落ちるような

 発見をすることがある。

 経営者にとってドラッカーは避けて通れない

 ビジネス書の古典だろう。


 ドラッカー自身は実際に経営に携わったこと

 はない。にもかかわらず、なぜこんなことが

 わかるのか、と驚嘆させられるところがある。

 私たち経営者は実践することで少しずつ

 学んでいくのだが、ドラッカーは経験すること

 もなく、理論的、抽象的に考えて、経営の極意

 というものにたどりついている。
 

  (上掲書 PP.119-120)


いかがでしたでしょうか?

ドラッカーの本を読む価値はどれほどあるか、
を物語るエピソードをご紹介しました。







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